2009年3月13日金曜日

ラベリング,特別な体験,出家などの質問

質問1  初心者の冥想指導では、何でもこころに浮かんだものは「妄想」の一言で処理していくようです。こころの浄化を目的にした大まかなものだと思われますが、ヴィパッサナー冥想時のラベリングは、思考やイメージ、感情が湧いた際にも「妄想」で良いのでしょうか。余裕が出てきた場合の細かなラベリングの仕方があれば、教えてください。

マハーシ瞑想センターの指導方法をご紹介いたします。

これと違う指導方法が間違っているという意味ではありません。

     考えている場合は「考えている」とサティします。イメージが見えた場合は「見えている」、何か聞こえる場合は「聞こえる」です。何故、「音」としないかは外の対象でなく瞑想者側から気づくためです。見えるとき「物」とラベリングしませんよね() 感情なども「怒っている」などとその時、思いついたもので結構です。言葉を心の中で使いますがあくまでも対象をしっかり気づくためにラベリングで補助手段です。どういう言葉を使うかはそれほど問題ではなく、客観的に正しく気づくのが重要です。どのようにラベリングしたらいいか考えているときも「考えている」または「迷っている」です。形容詞ではだめで名詞にするとか完了形にするとか過去形にするとかはどうでもいいことです。マハーシではビルマ語のときは動詞です。


質問2  ヴィパッサナー冥想の最中に、サマタ冥想時のような特別な現象、インパクトの強い体験をすることはあるのでしょうか。それは、冥想がうまく行っているために生じるのか、あるいは反対に間違っているために生じるのでしょうか。また、その場合、どのようにラベリングするのでしょうか。

     ヴィパッサナー瞑想でも集中力が高まれば色々な体験はおこります。正しいとか間違っているとかは本人と話してみないと分かりませんが、そのような体験をしたときに、それに執着しないで基本に返って瞑想することが大事です。気持ちよかったら「気持ち良い」光などが見えたら「見える」瞑想が進んでいると思ったら「考えている」何か洞察があれば「洞察している」などです。

ミャンマーの瞑想という本が詳しいのでお読みください。

ミャンマーの瞑想―ウィパッサナー観法


 

質問3  日本で上座部仏教の出家比丘になる方法はありませんか。また、タイやミャンマー、スリランカで出家比丘になる場合、どのような手続きになるのでしょうか。言葉は完全に習得した上でないと難しいですか。あと、長期滞在のためのビザなどはどうするのでしょうか。

     日本で出家するので一番勧められるのは茨城の上座部仏教修道会のウ・ニャーヌッタラ長老の下で出家するのが一番だと思います。(長老に了解を得ずに書いています。3月号のパティパダに記事があります。)スマナサーラ長老を尊敬する人は日本テーラワーダ協会で出家したがりますが、今のところお勧めできません。長老は忙しく相手している暇もなく、ただ法話を聞いたり自分で瞑想したりするぐらいなら在家でも出来ます。在家の服からテーラワーダの衣に着替えただけで生活が以前とほとんど変わらないなら意味がありません。

テーラワーダの国に行って出家するのをお勧めします。話せる方が良いのはあたりまえですが、話せなくても何とかなるものです。最低それぐらいの覚悟がない人は在家のままで瞑想や勉強は十分に出来ますので出家しないほうがテーラワーダ仏教のためにもなると思います。衣を着て日本でうろうろされるとテーラワーダ仏教全体のイメージが悪くなるだけですから。

出家の手続きはテーラワーダの国やお寺によって違うと思います。一番簡単に出家させてくれるのはミャンマーだと思います。ビザの延長も出家すれば心配ないと思いますが出家したらサポートする在家の人が必要です。托鉢で生活するので食べ物には困りませんが、ビザの延長やたまに帰国したい場合にはお金が必要です。ご家族が援助してくれるのが一番だと思います。

 

幸せでありますように。