大乗仏教とテーラワーダ仏教の三十二大人相と八十の細相は順番が少し変わっていることがありますがほとんど同じだと思いますのでご紹介します。
南方仏教基本聖典p.153の解説がテーラワーダの伝統的な解釈だと思います。横に上座部で対応すると思われるものを併記していますが、不確かなところもありますので参考程度にしてください。
神奈川仏教文化研究所より引用
【如来の三十二相】
名称及び順序は経論によって異説もあるが、大智度論巻四によると次のようになる。
1. 足下安平立相 そくげあんぴょうりゅうそう1.suppati¥¥hita pædo
地を歩くとき足裏と地と密着して、その間に髪の毛ほどの隙もないこと。
2. 足下二輪相 そくげにりんそう 2.cakka pædo
足裏に輪形の相のあること。
3. 長指相 ちょうしそう 4.Døgha³guli
一〇本の手指(異説では手足指)が長いこと。
4. 足跟広平相 そくげんこうびょうそう 3.æyatanapa¼hi
足のかかとが広く平らかであること。
5. 手足指縵網相 しゅそくまんもうそう 6.jælahatthapædæ(網のように揃った手足の指)
手足指の各指の間に、鳥の水かきのような金色の膜があること。
6. 手足柔軟相 しゅそくにゅうなんそう 5.mudu-talunahatthapædæ
手足が柔らかで色が紅赤であること。
7. 足趺高満相 そくふこうまんそう 7.ussa³khapædo(踝が高い)
足趺すなわち足の甲が亀の背のように厚く盛り上がっていること。
8. 伊泥延せん(足偏に專)相 いでいえんせんそう 8.e¼ija³gho(エーニ鹿のような細長い脛)
足のふくらはぎ(足偏に專)が鹿王のように円く微妙な形をしていること。伊泥 延は鹿の一種。
9. 正立手摩膝相 しょうりゅうしゅましっそう 9.¥hitakova anonamanto jantukæni paræmasanaµ
正立したとき両手が膝に届き、膝を摩するごとくであること。
10. 陰蔵相 おんぞうそう 10.kosohitavatthaguyho
男根が体内に密蔵されること。
11. 身広長等相 しんこうじょうとうそう 15.brahmujuggatto(梵天のように真直の身体)
身体の縦広左右上下の量が等しいこと。
12. 毛上向相 もうじょうこうそう14.uddhagga loma
髪毛の先端がすべて上になびき、右に巻いて、しかも紺青色を呈し柔軟であるこ と。
13. 一一孔一毛相 いちいちくいちもうそう 13.ekaka loma
身体の一札におのおの必ず一毛を生じ、その毛孔から微妙の香気を出し、毛の色 は青瑠璃色であること。
14. 金色相 こんじきそう 11.suva¼¼a va¼¼o
身体手足すべて黄金色であること。
15. 丈光相 じょうこうそう 48.parima¼ðala kæya pabhævantatæ(80の細相中)
身体から放たれる光明は四方各一丈の長さであること。
16. 細薄皮相 さいはくひそう 12.sukhumacchavø
皮膚が軟滑でいっさいの塵垢不浄を留めないこと。
17. 七処隆満相 しちしょりゅうまんそう 16.sattussado
両掌と両足の裏、両肩、うなじの七所の肉が円満で浄らかであること。
18. 両腋下隆満相 りょうやくげりゅうまんそう 18.citantaraµso(両肩甲骨の間に窪みがない体)
両膝の下が充実していること。
19. 上身如獅子相 じょうしんにょししそう 17.søhapubbaððha kæyo
上半身の威容が厳粛で、あたかも獅子王のようであること。
20. 大直身相 だいじきしんそう 19.nigrodha parima¼ðalo
身体が広大端正で比類がないこと。
21. 肩円満相 けんえんまんそう 20.samava¥¥akkhando
両肩の相が円満豊しゅう(月偏に叟)であること。
22. 四十歯相 しじゅうしそう 26.cattæløsa danto
四〇枚の歯を有し、それらは雪のように白いこと。
23. 歯斉相 しさいそう 歯はみな等しく、硬く密であること。 24.samadanto (均整のある歯)
(25. avira¹a danto隙間のない歯)
24. 牙白相 げびゃくそう 26.susukkadæ¥ho
四〇歯以外に四牙あり、とくに白く大きく鋭利堅固であること。
25. 獅子頬相 ししきょうそう 22.søhahanu
両頬が隆満して、獅子王のようであること。
26. 味中得上味相 みちゅうとくじょうみそう 21.rasaggasaggø
食物はその最上の味を味わえること。
27. 大舌相 だいぜつそう 27.pahþtajivho
舌が軟薄で広く長く、口から出すと髪の生え際にまで届くこと。しかも、口に入 っても一杯にはならない。
28. 梵声相 ぼんじょうそう 28.brahmassaro
声は清浄で、聞く者をして得益無量ならしめ、しかも遠くまで聞えること。
29. 真青眼相 しんしょうげんそう 29.abhinølanetto(勝れてた漆黒の目)
睫の色が紺青色で青蓮華のようであること。
30. 牛眼瀟睫相 ぎゅうごんしょうそう 30.gopakhumo
睫が整っていて乱れず牛王のようであること。
31. 頂髻相 ちょうけいそう 32.u¼høsa søso(ターバンを巻いたような円満な頭)
頭上に肉が隆起して髻(もとどり)の形を成していること。
32. 白毫相 びゃくごうそう 31.u¼¼¼æ bhamukantare jætæ odætæ mudu tþla sannibhæ
眉間に雪白の白毛があって光明を放つこと。
【コメントの質問の答えは】
頂髻相(ちょうけいそう)u¼høsa søso (ターバンを巻いたような円満な頭)
頭の頂の肉が隆起して髻(もとどり)の形を成している(にくけい)の事。
ある人は悟ると脳が発達して頭頂部が隆起した(笑)と思っている人もいます。
螺髪(らほつ)について面白いので読んでみて下さい。
菩薩が出家するときに髪を切ってそのまま伸びることはなかったと聞いたことがあります。
今で言う天然パーマなのかもしれませんが伸びないのは怪しいですね(笑)
あいまいな記憶ですがスキンヘッドの仏像もあったと思います。
ミャンマーですと1週間に一回剃るのが普通ですが、タイですと月に1,2回と聞いたことがあります。
病気でない限りミャンマーで2週間以上伸ばしているとニセ坊主だと思われるかもしれません(笑)
厳しい学問寺では剃る日が決まっていて勝手に剃れません。全ての僧侶が同じ髪の長さなので見た目が良いのと一度に剃れば手間が省けるのかもしれません。
【お願い】いつもコメントしていただいてありがとうございます。匿名のコメントですと誰がどのような質問をしているか分かりませんので本名でなくて結構ですので適当に名前を入れてください。よろしくお願いします。個人的な判断で削除する場合もありますのでお許しください。