2009年1月6日火曜日

前世において為された福業

先日、吉祥経の中の「前世において為された福業Pubbe katapuññtæ」とはどういうことかと質問がありました。

 

今生において経済的など豊かな家に生まれる、地頭が良い、容姿端麗、家系が良い(皇室など)、人気があるなどは過去の功徳が大きく影響を与えます。仏教は宿命論ではないので今生の努力や色々な条件で変わってくるものも当然あります。

有名な護経の解説書を調べるとほとんど説明が無く、その代わり吉祥(めでたい、良い兆し)とは何かと説明があました。その紹介は別の機会にいたします。

簡単ですが吉祥経の云われの説明をいたします。(日常読誦経典p.63)

神々が12年考えて答えが出なかった吉祥とは何かをお釈迦様に質問して、お答えになったお経です。

例えば初日の出を拝むと吉祥だ(縁起が良い)、鶏の鳴き声を朝一番に聞く、白い牛を見るなどその国の文化で吉祥というものがあります。しかし、それは迷信的なものばかりで本当の吉祥とは何かをお釈迦様が答えた38種の中に「前世において為された福業」というものが含まれています。

仏教では人間に生まれ、仏教に興味を持ち、さらに冥想実践するような人は「前世において為された福業」があるいえると思います。

ですから今生でまた功徳を積めば来世でまた同じように「前世において為された福業」をもって生まれることができ、吉祥がある人になることが出来ます。

福業とは簡単に

布施(執着から離れ、他に物などを与えること)

持戒(五戒などの戒を守ること)

修習(慈悲の冥想や、ヴィパッサナー冥想などの実践)

敬愛(尊敬に値する人を尊敬すること)

作務(他の人の善行を手伝うこと)

回向(自己の得た功徳を他に施すこと)

随喜(他人の善行を知ってともに喜び、受けること)

聴法(法を聞く、ためになることを聞く)

説法(法を説く、ためになる知識を教える)

見直業(正しい教えを信じ、見解をただすこと、因果の法則などを信じる)

 

今年も皆様が福業を実践することによって

吉祥に満たされますようにと願っています。


【追伸】

今日、畳店をなさっている会員の方が、精舎の畳が古くなっているので新しい畳をお布施してくれるためにはサイズを測りに来てくれました。とりあえず40年ほど使っているものを新しくものに取り替えてくれるそうです。

お布施なさった方を始め、生きとし生けるものが幸せでありますように。